「なごり歌」は終わった恋の別れ唄…

歌のおはなし

なごり歌/市川由紀乃 Cover by Shin

今回は市川由紀乃さんの新曲に挑戦してみました♪
とってもせつない青春の恋の話。とっても良い曲です!
いろいろと調べたことや、感じたことを"あとがき"として書き残しますね😊

歌詞を考察してみます!

歌詞から二人は一緒に住んでいたことがわかりますね。

そして、その家は彼女の住んでいる(いた)家。
慌てて出て行ったからギターを残したのか、いらないから置いて行ったのか気になります。

まず、←この字が読めませんでした…
サンズイに弟(おとうと)。“なく"、"なみだ"と読むそうです。

涙や、泪と同じ意味だそうですが、より深い悲しみの涕(なみだ)のように伝わりますね。
演歌って勉強になりますね~!

「冬いくつ」とあります。
別れが冬だったからなのか、冬になると彼との思い出に悲しんだのか。
どちらにも意味が取れそうですね。

歌詞の中で、彼は作曲か作詞をしていることがわかります。
ただ、若い二人なので演歌ではないと思いました。
僕の妄想ではフォークシンガーか、シンガーソングライターかなと。

彼のことを忘れ、別の彼と結婚の約束をしたのですね。
“決めた日"とありますので、プロポーズを受けたのか、何か結婚を決める出来事があった日なのか。

ずっと気がかりだった彼。

ラジオから曲が流れ、作者の彼のことが紹介されたのか、元気であることを知った彼女。
捨てられたことを恨んでいたろうに、そんなことは置いておいて、安堵の気持ちが溢れる。
彼女の気持ちを考えるとせつなくなりますね…

状況を想像しやすい歌詞が多いので皆さんも物語が浮かびやすかったのではないでしょうか。
今回は僕の妄想が止まりませんでしたので、歌詞の考察はこの辺りにして、続いて妄想話を聞いてください~

とっても長いので覚悟してくださいよ!笑

「なごり歌」Shinの妄想話

歌手を目指して上京した19才の春。
父親に反対されながらも決意は固かった。
汽車に乗るときに母がくれた手紙が嬉しかった。
小さい頃、七夕の短冊に、「お嫁さんになりたい」と「歌手になりたい」の二つを書いて欲張りだと兄に笑われたことを思い出す。

住み込みで働く場所は見つけた。
魚市場の端にある中規模な販売店。
仲買の業者さんも中にはいたが、一般の買い物客が多いお店だった。
女性が多く働いていて、レジ打ちや商品を並べる仕事。
市場なので朝がとても早いのが辛かったが、15時頃には仕事が終わるので歌の練習をするには都合が良かった。

何より、朝食とお昼の"まかない"までついていて、市場ならではの美味しい白身魚のフライや刺身が食べられるのがお気に入りだった(たいていは売れ残りや切れ端だったが…)

住み込みの寮は、市場から10分ほど歩いたアパートだった。
建物は決して綺麗とは言えず古い階段がきしむ。
その音を聞きながら、この音はファの音だとか、レの音だとか探るのを楽しんだ。

ある日、市場の常連のお客さんが声をかけてくれた。

君、歌手になりたいんだろ?
歌手や作詞家・作曲家が集まるピアノバーが有楽町にあるんだが行ってみたらどうだ?


小さな手書きの地図と共に教えてくれた。

夜の有楽町はスーツを着た紳士と、大人の女性ばかり。
彼女は一番のお気に入りのワンピースを身にまとっていた。
ひとつ路地に入るとそのお店はあった。

重い木の扉を開ける…
そこに居たのは若い青年だった。

今日は臨時休業だよ。
なんたってエアコンが壊れてしまったからね。

え?俺はここでアルバイトをしているのさ。

あらかたここに来た事情を話すと、彼は大きな声で笑った。
都会らしさが自分より大人っぽく感じたが年齢は3才年上だった。
軽い口調だったが、嫌な感じはなく、リーゼントで固めた髪型がとてもカッコよかった。

じゃ、いいところに来たね
今日はお客さんはいないし、貸し切りだよ!
俺がピアノを弾く。ギターだって弾けるよ。
思いっきり歌ってみなよ!


店内はとても素敵な造りだった。
立派なシャンデリアの輝きが天井や壁にきらめき、バーのワインボトルに光が屈折する。
客席は30席ほど。といっても空席だが…

彼のピアノも素敵だったが、ギターはひときわ素晴らしいと思った。
ガットギターをバックに歌うと胸が高鳴った。

彼はいつかシンガーソングライターになりたいと言う。
予想外の出逢いだったが、ふたりは恋に落ちる。


彼が私の寮に転がり込んできて1年が過ぎたある日。
仕事から帰ってくると彼の荷物は無くなっていた。

譜面の裏に殴り書きで書かれた「探すな」の一文字。
ギターの弦が切れたままのボロボロのギターが部屋の片隅にあるだけ。

彼は借金をかかえており、返済が滞納していたことは知っていた。
きっと居場所がばれてしまい、慌ててこの部屋を出て行ったのだろう…

なぜ、ひとり残すの…
私も連れて行ってほしかった!
悔しい…


あれから8年の年月が流れた。
ふさぎ込んだ心を温めてくれたのはあなたじゃなかった。

“あの彼"のような派手さはないが、とても真面目な性格で優しかった。
過去を引きずる彼女の心を全て受け止めても有り余るほどの器を持っていた。
彼のお母さんに会った。母親ひとりで息子を育てた苦労が白髪に滲み出ていたが、優しい笑顔が彼とそっくりだった。

この人なら…
嫁ぐ気持ちを固めた夜。

ラジオから聞き覚えのあるメロディーが…
すぐにわかった。何度も一緒に歌った歌。

彼が私の為に作ってくれたあの曲。
父への感謝。母への愛。
あなたと私が出会った愛の唄。
あの人の曲だ…

小さな声で口ずさむ。
だけど涙が溢れて声にならない…
「生きていたんだね…本当に良かった…」

あんなに恨んでいたのに…
嬉しい涙がこぼれる。

だけど、私は嫁ぎます。
もう戻らない。
青春"はるをこの部屋に置いて…


こんな妄想いかがですか?
もう、僕の妄想も溢れて止まりません!笑
そんな物語を想像しながらもう一度カバーを聞いてみてください😘

文章中には、思い違いや間違いなどが多数あるかと思いますが、
個人的な解釈Shinの勝手な妄想ですのでどうかご了承ください。